美味しい魚紹介の第一弾ですが、「ししゃも」です。
意外と知られているようで知らないのが「樺太ししゃも」と「本ししゃも」の違いです。あまり魚に興味が無い人はそもそも「本ししゃも」って何?となるかもしれませんね。
北海道でのみとれる「本ししゃも」は流通量もさることながら、その存在さえもあまり認知されていません。ただ、味は世間で知られている「樺太ししゃも」よりも良く、是非食べてもらいたい魚の一つです。
本ししゃもとは?
アイヌの人たちが飢えに苦しんでいる時に「神が与えてくれた魚」として知られている「本ししゃも」ですが、北海道むかわ町が有名とのことです。私はまだ行ったこと無いですが、10~11月の漁期には生で食べることもできるようです。なかなか場所が場所だけに行くことは難しいですが、行ってみたい場所の一つですね。
「樺太ししゃも」「本ししゃも」のどちらも「キュウリウオ科」ですが、「樺太ししゃも」は「カラフトシシャモ属」で「本ししゃも」は「シシャモ属」で全く別の種だそうです。学者や漁業関係者・販売業者さんとしては「樺太ししゃも」がししゃもと認識されている状況がなんとも歯がゆいようで、違いを主張しているサイトがいくつか見られますね。
一般的に良く知られている「樺太ししゃも」ですが、卵の食感を楽しむのが主な目的でメスしか売られていません。一方、「本ししゃも」はオスもメスも食べます。いえ、むしろオスの方が美味しいとされています。
さて、「本ししゃも」と「樺太ししゃも」を並べてみました。ちなみに上4匹がカネダイ大野商店さんから買った「本ししゃも」で、下4匹がマックスバリューで買った「樺太ししゃも」です。比較してみると全く別の魚ですね。「本ししゃも」の方は金に近いような色で「樺太ししゃも」は銀色です。ちなみにみんな口が開いているのは干す時に棒を口に挿してるからですね。宮川大輔さんがモノマネをやっていますが、最初からこのような顔をしている訳ではありません(笑)
価格の違いは?
希少価値があるということで気になるのは価格です。マックスバリューで買った「樺太ししゃも」は10匹で198円でした。なので、一匹19.8円ですね。
一方、カネダイ大野商店さんの「本ししゃも」ですが、サイズによって大きく違いました。一番小さいものでも一匹80円で、一番大きいとオスが一匹180円、メスが一匹240円でした。一匹の大きさを考えるとかなりの高級魚ですね。その辺もマイナーな存在の一因なのかもしれません。
樺太ししゃもとの味の違いは?
普段生活している分には「本ししゃも」を目にすることは滅多にありません。スーパーや居酒屋で出回っているししゃもはほぼ9割が「樺太ししゃも」です。漁獲量から言っても全然違いますのでししゃもとしての認知度は圧倒的に差があります。
焼いたししゃもの画像を載せてみました。(焼き方も写真も下手でごめんなさい)焼いてみるとより違いがわかりますね。
まず「樺太ししゃも」の味ですが、身よりも卵に到達した時に美味しさを感じます。頭から食べると苦みを感じますので、居酒屋さんなどでマヨネーズ+七味唐辛子が添えてある意味が良くわかります。
次に「本ししゃも」のメスです。こちらは全体的に身がふっくらしています。そして魚を焼いた香ばしい匂いがします。脂の質が良いということでしょうかね。この香りはなんとも言えない上品さを感じます。逆に身が美味しくて卵の存在が薄かったですが、サイズがもっと大きければ存在感が大きくなるかもしれません。これは次回のお楽しみです。
最後に「本ししゃも」のオス。こちらの方がさらに香りが良いです。身にも脂が乗っていてオスが好んで食べられる理由がわかります。メスと同様に上品な味ですので、マヨネーズなんてつけたらもったいないですね。
まとめ
超ドシンプルですが、「本ししゃも」について書いてみました。実家が生活クラブで食材を購入していたので日常的に「本ししゃも」を食べていたこともあり美味しさも知っていたのですが、「樺太ししゃも」と食べ比べた事でより違いがわかりました。
ただ「樺太ししゃも」がダメという訳でなく、シンプルに卵を楽しむ分には「樺太ししゃも」が勝っているかもしれません。ただ、日本固有種である「本ししゃも」も知って欲しいし食べて欲しいという事でこの記事を書きました。
「本ししゃも」は本当に香りが良くて我が家ではむしろオスの方が人気でした。卵はむしろオマケ的な存在で何もつけずに食べるのが一番いいですね。
現地に行って食べるのは大変なので、お取り寄せが一番お得です。冷凍で届きますので解凍して焼くだけです。
是非皆さんも美味しい「本ししゃも」を食べてみて下さい!